高いチーム力の理由を徹底分析!法政大学第二高校のチーム作りとは?

スポーツ推薦がない県内屈指の進学校かつ、71人の部員を抱える法政大学第二高校。春季大会5位のチームが1力月後の高校総体予選で優勝候補を破って県を制覇した背景には、どんなチームでも参考にできる取り組みがあった。

今年の神奈川県高校男子には桐光学園高校という絶対的な王者が君臨していた。

県内のトップ選手がズラリとそろい、新人大会、春季大会ともにすべての試合で20点差以上をつけて勝ち上がっている。

そんなチームから、法政ニ高は県内で初めて白星を奪った。

しかも高校総体神奈川大会という真剣勝負の大舞台で。スタメン中4人は180センチ以下。

目を引くような身体能力の持ち主は一人もいない。このチームの下克上を予想していた人はおそらく皆無だっただろう。


目次

  • 自分の役割をまっとうする
  • 徹底的に選手同士で話し合う
  • 法政二高の高いチーム力の3つの理由

自分の役割をまっとうする

法政ニ高が様避撃の主役になれた理由の1つは、25人の3年生全員が明確な役割を持ち、チームに載身できたことにある。
キャプテン、副キャプテン、マネージャー以外の3年生は全員、縦割りグループのリーダーとして下級生の面倒を見る。Bチームと1年生を指導するのも3年生から選ばれたコーチだ。

マネージャーと1年生のコーチはプレイヤーの中から選ばれるため、仲間たちより一足先に選手を引退することになる。
「チームに必要とされている役割があって自分にそれができるなら、選手をあきらめてでもチームを勝たせようと決断しました」とマネージャーの石川豊農君。

1年生コーチの大熊隆介君は「先生やみんなから信頼される人材になれたということがうれしかったです」。2人とも与えられた役割に全力で取り組んでいる。

徹底的に選手同士で話し合う

もう1つ、法政ニ高のチーム力を語る上で欠かせないのがミーティングだ。

部活後だけでなく練習時間さえも使い、時には1週間続くこともある。

「それだけ大事なことだと思っています」とキャプテンの久保田悠斗選手。

「大切にすべきことがわからない状態で練習をしても、疲れるだけで身にならないですから。
やるべきことがわからなくなったり悩みが出てきたら、何度も何度も話し合います」。
本当に思っていることが分からないため、便利なスマホアプリは使わず、直接顔を突き合わせて話し合う。
語り草となっているのは「6時間ミーティング」だ。

ベスト4以上の結果を日指していた5月の春季大会の準決勝で敗戦した直後、メンバーと3年生は徹底的に自分たちの弱さに向き合った。
「ここで本音を言えなければもう終わり、という雰囲気でした」(久保田選手)。ベンチ外の部員たちは主力選手に遠慮して言えなかったことを真っすぐに伝えた。主力選手たちは突きつけられた自分の弱さに逃げ出したくなりながらも、受け止めた。翌日も試合だというのに気付いたら6時間が経っていた。エースの戸井堅士朗選手は、ミーティング後の自身の変化を実感している。

「自分はたぶん、一人でプレイしていたんです。『俺がやらなくちゃ』という気持ちが頭をぐるぐる回って、シュートも入らなくなって…。でも、あのミーティングのあとの試合で疲れたときに応援席で大声で応援してくれる仲間を見て、初めて『チームのために頑張ろう』と強く思えました」

いつだってつらいことは全員で乗り越えてきた。

お互いの強さも弱さも全部知っているし、自分がすべきこともしっかりとわかっている。

そんな集団が勢いよく地面を揺らして同じ方向に進むのだから、そのエネルギーは個のそれを圧倒するのは当然の理なのだ。

法政二高の高いチーム力の3つの理由

  1. 徹底的なミーティングで学年のテーマを決める
    法政二高はチーム力を高めるためにさまざまな工夫を取り入れている。
    法政二高では1年生の冬に、その学年のテーマを設定する。「自分たちの願望と課題がうまくミックスされたもので、達成されれば結果に近づくんじゃないかというものを、シンプルな言葉に落とし込みます」(鈴木恭平監督)。ひたすら話し合った結果、現3年生は「全員が輝く」というテーマを掲げた。「人数が多いことが負の方向に働くこともあると先生に言われていたので、それをプラスに生かしたかったんです。試合に出る人は輝くけど出ない人は雑用っていう完全分業制だと絶対に気持ちが離れてしまうと思ったので、自分の与えられた役割に誇りを持って全員が輝こうと決めました」(久保田選手)。
    何かあるごとに「今、輝いている?」と自分や他人に問いかけ、本気で達成しようとすることで、このテーマ設定は強く生きてくる。
    テーマ設定のミーティングの模様。目標を達成したらどうなるか、ホワイトボードに書き込んでイメージを膨らませていく。
  2. 学年を越えた縦割りのチーム単位で行動する
    本文で触れたとおり、法政二高には縦割りグループがある。
    キャプテン、副キャプテン、マネージャー以外の3年生全員がそれぞれグループのリーダーとなり、8~10人ほどの下級生の面倒を見るのだ。
    練習やミーティング、試合の移動もすべてこの縦割りグループで行動し、荷物持ちはリーダーである3年生が担当。
    鈴木監督が時々状況を確認することもあるが、部員間のトラブルはリーダーを中心にほとんどグループ内で解決している。
    こうすることで試合に出られない3年生に責任感が芽生え、チームに一体感が生まれるのだ。
  3. 法政二高名物“デルタパス”でチームワークを鍛える
    法政二高のバスケはこれに始まりこれで終わる。
    それくらい大切な練習がこの「デルタパス」だ。
    「パス→その方向に移動」という動きを繰り返し、パスをつなげていく。
    チェストパス、ワンハンドパス(左右ともに)、バウンズパス、オーバーヘッドパス、タップ、落とし(ドリブル)、ハンドオフ(手渡し)を行ったら、今度は逆方向へ。各自がパスの種類や方向を切り替えるタイミングについて意識していなければならないので、「プレイしている選手もまわりで声を出す選手も、全員が当事者意識を持つための心のトレーニングにもなっています」(鈴木監督)。

    グループリーダーの3年生( 前列左から2番目)が、後列向かって右の2人の1年生と、5人の2年生を束ねるデルタパスの動きA B C A が B にパスを出し、同方向へ走る。
    パスを受けたBはCにパスを出し、同じく同方向へ走る。
    一連のこの動きをよどみなく、整然と行う様は圧巻だ。
 

関連記事

オススメの記事

  1. 【バスケ】3x3(スリー・バイ・スリー)とは? 3x3とは、3on3の名称で親しまれた3人制バスケ…
  2. ハンドリングとは、バスケにおいて非常に重要なドリブルのテクニックを上げていくためにするトレーニング方…
  3. バスケットボール男子日本代表/NBAドラフト1巡指名 八村塁 独占インタビュー 9月に発行されるT…
  4. 練習動画を紹介! 開志国際高校がウォーミングアップで実践する「コンタクト練習」 TIP…
Return Top